へうげもの9巻

July 29, 2009 at 10:33 PM | View Comments

毎回たのしみにしている「へうげもの」の最新刊が発売されました。

今回は利休切腹という物語の一つの区切りになるエピソードが中心。モーニング連載時も読んだのですが作者の山田芳裕氏渾身の一話。

死にゆく利休が織部に

「それがあなたなのです」

と、織部の本質を諭すためにいろいろなエピソードを織り込んできたのがわかる。

「へうげもの」の主人公はもちろん古田織部なのだけど、もう一人の主人公である豊臣秀吉の苦悩、老い、衰えの描き方も好きだ。

感動的な利休のエピソードの後はドリアンやヨンさまで笑わせてくれる。笑いのセンスもいい。

「織部好み」の完成、秀吉の死、関が原での上田左太郎と東軍西軍と別々の道へ、、、などが続く次巻からも楽しみだ。

個人的に好きな石田三成が「へうげもの」では嫌な人間としか描かれてきてなかったのが残念だったのだけど、今回から人間的な深みが描かれるようになってきた。

ほんの二十数年前の信玄、謙信、信長の前半などは、どんな政策や戦いがあったのか具体的に分からないことだらけだったのが秀吉時代になると具体的な数字や文献が残っていたり、戦いの動員数も数十万単位になったりしている。これは三成を中心とした豊臣家の官僚的武将の実力があってこそだし、関が原にしても三成が実力者家康と互角の状況に持っていくこと自体が奇跡みたいなものなので「へうげもの」でもその辺りを描いてくれると嬉しいのだが、、、

関が原で織部が口説いたと言われる三成派の佐竹義宣は登場しないのだろうか??

あと、信長からもらって、捨てたつもりが奥さんにしまってもらっていた南蛮箱が織部焼の緑に繋がるのではないかと予想。

三成といえばやはりこの小説。でも絶版なんですね。

巨いなる企て
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三沢光晴お別れ会

July 04, 2009 at 10:00 PM | View Comments

6月13日に試合中に亡くなったプロレスラー三沢光晴さんのお別れ会(顕花式)へ会場のディファ有明へ行ってきました。

ファンの顕花式の時間は14時から18時だったので仕事を早めに切り上げ17時すぎにディファ有明に到着。「そのくらいの時間ならだいぶ人も減っているのでは」という予想に反して凄まじい人数の行列ができいていた。とりあえず行列の最後尾へと向かうがとにかく行列が長い。横に4~6人並ぶ行列にもかかわらず、あとで調べたら1キロもの行列だった。最長時は2キロを超えていたらしい。その時点での人数だけでも「1万人近い人数じゃないか」と思ったが、主催者の発表では2万5000人もの参列者が集まったとのことらしい。

集まったファンは30代の男性がもちろん多かったが女性や家族連れも予想以上に多かった。それぞれ三沢さんに捧げる花束を持ち静かに最後の別れをするために静かに行列に並んでいた。並んでいる間も新しい花束を持ったファンが次々と最後尾へ向かっていく。行列の道路の上をモノレール「ゆりかもめ」の列車が走っていくのだが、その乗客たちがものめずらしそうに行列を眺めているのが見えた。

プロレスを知らない人は、これだけの行列が亡くなった一人のレスラーへ花を捧げるためのものなんて想像つかないかもしれない。ひょっとしたら事情を説明しても信じてくれない人もいるかもしれないなと思った。

プロレスは不思議なスポーツでプロレスが好きと人に話すと「なんでそんなモノ見るんですか?」と真顔で言われることがある。そんな言われ方するスポーツは世界でプロレスしかないかもしれない。とは言ってもそういう失礼なことを言う人が悪いのではない。プロレス界はそんな言われ方をするような事態を招くような出来事はたくさんあったし、ひどい人間もたくさんいた。興味のない人がプロレスに対して否定的な見方をするのはある意味自然なことでもあるのだ。僕自身だってプロレスを長い間ずっと小馬鹿にしていた。だから普通の人がそう思う気持ちは良く分かる。

三沢光晴はずっとそういった世間の目と戦っていた。

「実際に見てくれたらどれだけ命を懸けて戦っているのか分ってもらえる」 「真面目に取り組んでいたらきっと世間にも認められる」

、、、。しかし、結局のところ世間を振り向かせることは出来なかった。

だから三沢光晴さんが亡くなったと聞いたときは悲しいというより、ただただ悔しかった。三沢さんが勝てないまま去っていくのが辛かった。

確かに三沢さんは世間の目を変えることはできなかったかもしれない。じゃあプロレスラー三沢光晴は無駄だったかといえばもちろん違う。今日、僕が見た三沢さんにお別れをしにきたファンはほんの少しだけだが、みんな本当に静かに真剣に三沢さんへ感謝の気持ちを伝えに来ていた。あんなに静かでやさしい行列を見ることはそうはないだろう。お別れ会に来ることができたのは2万5000人だったかもしれないが、きっともっと多くのファンが同じように三沢さんに感謝の気持ちを持っていると思う。これだけの人に夢を与え続け、感謝されてきた三沢さんは決して負けてない。

行列に並びはじめて1時間でようやくディファ有明の敷地に入ることができた。芳名を終えて会場に入る。GHCのベルトを腰に巻いた三沢さんの写真を囲むように壁面いっぱいの花。その前にはリングがあり、その上にはファンたちからの花束が山のように積み重なれていた。会場の出口には小橋、秋山、菊池などのノアの選手たちが並んでいた。リングまでの行列を並ぶ人たちの決して少なくない人数の人たちが静かに涙を流していた。リングしたに辿り着き、トップロープを超えた花束の山の上に持参した花束を投げる。三沢さんのテーマカラーであるグリーンを感じる花束だ。みんなそう思ったのかグリーンがかった花束が多かった。手を合わせ声に出さず三沢さんへの感謝の気持ちを伝えた。

出口へ向かうと、先ほどの小橋たちと変わって田上、力皇、金丸、ヨネなどの選手たちがファンたちを見送っていた。そのなかに斉藤選手もいた。斉藤選手の背負う十字架の重さは日々重くなっているのだろう。「がんばってください」と言おうと思ったが言葉にすることができずに、ただ深く頭を下げた。ファンのだれかが「天国にいる三沢さんは誰よりも斉藤選手の心配をしている」と投書していたが本当にそうだと思う。三沢さんはそういう人だった。

斉藤選手、大変だと思います。辛いと思います。でも応援してますのでがんばってください。

すべて終り駅に戻ると2時間の時間が過ぎていた。

<追記> 最長のときの行列の様子がYouTubeにUPされていたので貼らせていただきます。

http://www.youtube.com/watch?v=SrZXCaeneSE

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