Steve Jobs の原風景
October 25, 2011 at 11:07 PM | View CommentsSteve Jobsの伝記をKindleで買いました。
僕の英語の読解力は相当ひどいのですが、安さにつられてつい英語版を買ってしまいました。
日本語訳版が上下巻各1995円で合計3990円に対し、Kindleは予約価格とあって11.99ドル(913円)でした。
現在(2011/10/25)は17.29ドル(1316円)とちょっと高くなっています。日本の定価販売と違って、予約すると安くなることもあるのですね、、ちょっとびっくりしました。
<追記 2011/10/26> 日本価格とKindleの価格についていろいろ思うところがあったのですが、 ジョブズの本で考える、本の適正価格 « マガジン航[kɔː] が詳しいので興味ある人は一読してみてください。
<追記終わり>
そこそこボリュームがある本なので斜め読みしているのですが、序盤でSteve Jobsについて一番知りたかった彼の原風景について書いてありました。
Steve JobsはエレクトロニックやIT関連の登場人物のなかで、シンプルなデザインや使いやすさにこだわったりするところが、僕には他の人と違うように感じていました。
いったい何が彼の心の深いところに影響を与えたのか昔から気になっていました。
禅や東洋思想の影響も大きいかもしれませんが、それは彼が青年になってからのこと、もっと子供のころの体験が知りたかったのです。
たとえば、任天堂の宮本茂さんの場合、子供のころの体験がマリオになり、ゼルダになっている。
京都でアパート住まいをしていた時、その近くに、 壁に小さなマンホールの蓋が埋め込んであるビルがあったんです。 毎日そのわきを通るので、気がついたんですが、考えてしまいましたよ。 なんで壁にマンホールが?どこへ通じているんだろうって。
地図を持たないでハイキングにいった時、行く道を捜している内に、突然湖に出くわして驚き、 冒険の新鮮な面白さを味わった。
参考 任天堂のフィロソフィー
子供のころの原風景はときに一生変わらない価値観を生むことがあるので、Steve Jobsにも何かあったのではないかと思っていたのです。
Steve Jobs は子供のころ Joseph Eichler という人が作った家に住んでいてとても気に入っていたそうです。
Joseph Eichler という人はフランクロイドの家の良さに感じ入り、良い家を安価に低収入者にも提供したいと思い、住宅会社を興し成功した人です。Jobsが住んでいた家には彼の作った家が多かったそうです。
Joseph Eichler で画像検索すると確かにガラス壁をふんだんに使ったカッコいい家のようで、これが低所得者向けとは信じられないくらいです、
Joseph Eichler Homes | Swipelife
AppleStoreにも近い感じがしますね。
Joseph Eichler の家について Jobsは
His houses were smart and cheap and good. They brought clean design and simple taste to lower-income people.
It was the original version for Apple.That`s what we tried to do with the first Mac.That`s what we did with the iPod
彼の家はあか抜けしていて、安く、良いものだった。低所得者に洗練されたデザインとシンプルさをもたらした。
それ(安価でよいデザインのものを提供すること)はAppleのオリジナルバージョンだった。最初のMacで試みたことだったし、iPodで実践したことだ。
と言っています。
序盤だけで十二分に元をとった感じですが、気長に読みすすめていきたいと思います。
原研哉「白」を読んだ
October 30, 2010 at 11:08 PM | View Commentsデザイナー「原研哉」さんの著書「白」を読みました。
原研哉さんは無印良品のボードメンバーで東京ADC賞のグランプリを受賞したポスターなどが特に有名。
無印良品でのトークイベントの話が興味深く、それ以降いろいろ調べています。
原研哉氏トークイベント採録(1/5) | くらしの良品研究所 | 無印良品
空白 エンプティネス
本の1/3は先ほど紹介した無印良品のトークイベントで語られた「空白 エンプティネス」の話です。ただし、トークイベントの内容そのままではありません。例えば、トークイベントでの話にはなかった等伯の絵の話などあります。
「空白 エンプティネス」は「無」ではなく満たされる可能性がある「機前の可能性」を持つ場合がある、と述べて例に長谷川等伯の「松林図屏風」をあげている。
これについて
描かれていない空白地帯を情報のゼロ地帯とは見なさない。 それどころか、そこにこそ意味を加算しようとする心性が日本人の美意識の重要な一端を作っている。
と、等伯の絵そのものよりも受け取る日本人の感性について述べている。
東山文化と茶の湯
西洋文化がシンプルに美や価値を見出したのは今より150年前。しかし日本はシンプルに先駆けること数百年、室町時代の中期に簡素に美を見出していた。
室町幕府8代将軍「足利義政」が築いた山荘、いまでは銀閣寺の通称で知られる滋照寺の一角、東求道の同仁斎という書院は、和室の原点と言われている。
義政の治世の時代に応仁の乱がおこり、京都にある寺、彫刻、書、書画の多くが失われた。義政は施政家としては無能だったようだが、文化に通じる教養人だった。義政は京都のはずれ東山に山荘を築き隠居する。そして、彼と彼の周辺から簡素の美を見出す新しい日本文化が生まれた。
簡素に美を見出した「わび茶」の祖は村田珠光という人物だが、この人は高価な輸入物の道具を使った当時の豪華な茶を否定し、4畳半の茶室に禅の精神を追求したわび茶の精神をつくった。そして義政の知遇を得ていた。
義政と珠光が実際にどのように関わったかを証明する資料は少ないようだ。しかし、義政が残した「銀閣の同仁斎」と珠光が残した「わび茶」をみれば、「簡素」という美を生み出した背景が透けて見えるように思える。
銀閣寺
本の内容を離れるが、銀閣は建設当時、銀色に輝いていた可能性があるらしい。
もっとも、金箔で飾れてた金閣寺のように銀箔で飾られていたのではなく、漆の上の白土(はくど)を塗り、その上に明礬(みょうばん)を塗られていた可能性があるとのこと。これで銀色にうっすらと輝くそうだ。
銀閣は月を眺める屋敷として建設されたそうだ。月に照らされ銀色に輝く銀閣はとても美しかったように思える。
正直に言うと、この本や銀閣についてのテレビを見るまで、銀閣について無能な義政が義満の金閣に対抗して銀閣を作ろうと思ったが、財力不足で銀も貼れず、小ぶりな建物しか作れなかった。という認識があったのだけど大間違いだったようだ。
義満が江戸時代に続く政治的流れを作ったように、義政は現代に続く文化的な流れを作ったのかもしれない。
銀閣は一度も見たことがないので、つぎに京都に行くときは行ってみようと思う。
ちなみに金閣、銀閣という名称は江戸時代についたらしい。
英訳付き
「白」の後半は完全な英文が載っています。原研哉さんの著書は世界中で読まれているらしいので、この本も広く読まれてほしい。
横井さん命日と横井軍平のゲーム館
October 05, 2010 at 10:06 PM | View Comments昨日、10/4は横井軍平さんの命日でした。亡くなったのは1997年なのでもう13年。早いものだ。
ここ数年、DSとWiiの成功で注目を集めた任天堂の岩田社長と宮本さんがしきりに「横井軍平さんは師匠」と言ったり、横井さんの「枯れた技術の水平思考」という言葉を紹介しているので横井さんに関する注目も少し高くなったように思います。
そういった動きのせいか、長らく絶版の上、中古も非常に高値をつけていた横井さんの本「横井軍平ゲーム館」が改定復刻したので購入した。
この本は横井さんの開発した商品に対するインタビューに対する横井さんが答えをまとめている。
- ウルトラハンド : マジックハンド
- ウルトラマシン : ピンポン玉を投げる簡易バッティングマシン
- ラブテスター : 愛情測定器という名目で女性と手を握るための道具
- エレコンガ : リズムボックスのはしり
- N&Bブロッククレーター : レゴのパクリのブロックをつかってできた車、地雷みたいなものを踏んだらバラバラになるギミック
- レフティRX : 左回りしかできないラジコン。その分安い。
- タイムショック : 人気商品のパクリもの
- チリトリー : ラジコン式の掃除機。
- テンビリオン : ルービックキューブの真似
- 光線銃SP : 光線銃 200m先の的にも当たる
- レーザークレー : ボーリングブームが去ったあとのボーリング場跡地にレーザークレー場を作ろうとするも、、
- ワイルドガンマン/ファッシネーション : ビデオすら無かった時代の実写ゲーム、ファッシネーションは脱衣もの
- バトルシャーク/スカイフォーク : 実写ゲーム第2弾
- ダックハント : 壁に映る光のカモを撃つ
- 光線電話LT : 200m離れていても話せる光電話
- ブロックとジャイロ : アメリカでファミコンを売り出すときに欠かせなかったロボット。ロボットはファミコンともテレビともつながっておらず、テレビ画面の点滅で反応する。
- ゲーム&ウォッチ : 任天堂の財政難を一挙に解決した傑作シリーズ。
- ドンキーコング : 宮本さんデビュー作。
- 十字ボタン : ゲームの歴史を変えた操作システム。
- コンピューター麻雀役満 : 通信機能を備えたポケット麻雀
- ゲームボーイ : 説明不要。
- バーチャルボーイ : 商業的に失敗に終わった3Dゲーム機。
- ゲームボーイポケット : 任天堂最後の仕事
ゲーム&ウォッチ以前のものは知らないものも多かったが、いま見ても魅力的な商品が多いような気がしました。それらの商品、1つ1つに対して横井さん自身が説明している。改定新刊がでる前の最高値は10万円を超えていた(それ以降は2,3万円くらいが相場だった)とのことだけど、確かにそれくらい高くてもほしい人はほしいかもしれない。
横井さんというのは、問題を解決するときに、ごくありふれたものを引き出しから何個か取り出し、組み合わせて誰も見たことがないものを作る天才だったと思う。また、その時、その時に求められたものを「片手間のやっつけ仕事ですよ」と、言いながらサクッと作ることに関しても同様に天才だったのだと思う。
また、言葉から横井さんの人柄がわかり
社交ダンス部に入ったらモテ過ぎて辞めた
とか、
私自身もラブテスターを使って、ずいぶん女性の手を握りましたよ。まぁ、そのうちそんなもんじゃ物足りなくなってきましたけど。
(脱衣ゲームのファッシネーションは)スウェーデンのモデルを使いまして、私も撮影に立会いましたけど、そりゃきれいなモデルさんでした。
などの、エロ親父っぷりも素敵でした。もちろん、それ以外の横井さんの言葉もユーモアにあふれていて、考え方も面白く楽しい。この本は買ってよかった。
最近、任天堂からではないですがラブテスターが再発したらしいです。悩んでまだ買ってないのですが、チリトリーが再発したらルンバの代わりにネタとして買うかも、、、
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また、同じ著者の牧野氏の「ゲームの父・横井軍平伝 任天堂のDNAを創造した男」も読みました。
こちらは横井さんをより俯瞰的に知るに良い本。客観的にみて横井さんがどういう人間だったのか良くわかる。こちらも良書です。
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「数学で犯罪を解決する」を読んだ
October 03, 2010 at 11:29 PM | View Comments統計学の知識を得たい。ここ最近いろいろ思うところがあってそう思うようになり、いろいろ本を読んでいるのだけど、まともな高等数学を勉強したことがない僕にとってはかなり難しい。
そもそも統計学でいいのかもよく分からない、データマイニング、確立、ベイズ推論、パターン抽出、、、これらをひっくるめると統計学でいいのか?もっと違う言い方があるのか?統計学という言い方で合っているので分からないので、ここでは統計学(仮)ということにする。
今思うのはそれらの知識を得ると抱えている問題をより良く解決できる予感がするということだ。
と言うわけで、いろいろ統計学(仮)についての本を手にとって読んでみたが難しい。どうも頭に入ってこない、、、なんとなく分かる気もするが、こういうのは大体勘違いというのが相場だ。
そもそも前提知識や理解力少ないことは大きな理由だが、ここまで頭に入ってこないのは統計学(仮)への愛情が少ない、好きさが足りない、、と思う。と言うか、あまりにも理解できないので、そう思いたい。
ということで、統計学(仮)の入門書はいったん置いて置いて、統計学(仮)をもっと愛せるような本を読むことにする。今回読んだ「数学で犯罪を解決する」は、そういった意味でなかなかよい本だった。
そもそも統計学(仮)は世の中のいろいろな場面で役に立っている。例えば、
- Gmailの迷惑メール自動判別
Gmail以前に使っていたOutlookみたいなメーラーは、自分で差出人が〇〇のもの、、件名に××という単語があるもの、、とルールをきめて迷惑メールを削除していた。
ところがGmailの迷惑メール自動判別機能は、「このメールは迷惑メール」「このメールは迷惑メールでない」というのを世界中の人が判別することで、かなりの確立で迷惑メールを迷惑メールとして扱ってくれる。よく分からないが、これはベイズなんとかという統計学(仮)の考え方を使っているらしい。
例えば、レッドソックスの岡島。
日本でそこそこの選手と思われていた岡島がメジャーリーグの名門レッドソックスからオファーがあったとき、同時に入団した松坂の話し相手として取ったのだろうさえ言われた。
ところが、松坂に劣らないというか、チームへの貢献度では確実に松坂を上回る活躍をみせた。コストパフォーマンスは確実に松坂より上だ。レッドソックスは松坂のついでに岡島を獲得したのではなくセイバーメトリックスと呼ばれる統計学(仮)を利用した選手分析の手法で岡島の価値を発見したのだ。
(ちなみに岡島の価値は四球と奪三振の比率から算出したらしい)
統計学(仮)は楽しそうだ。ちょっと好きになってきた。
「数学で犯罪を解決する」は、アメリカの連続ドラマ「NUMB3RS」で使われている数学を解説した本だ。
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「NUMB3RS」というドラマは、、Wikipediaによると
FBI特別捜査官ドン・エプス(ロブ・モロー)と、数学の天才で犯罪者の行動を予測する公式を導き出す弟のチャールズ・エプス(デイビッド・クロムホルツ)の活躍を描くドラマである。
となっている。このドラマのウリは使われる数学がキテレツなものではなく、実際の犯罪捜査でも使われるちゃんとした数学ということだ。
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ドラマの中で
スプリンクラーから落ちる次の水滴は分からない、でもスプリンクラーの場所が分からないとすると、これまで落ちた水滴からスプリンクラーの場所を割り出すことはできる。この犯罪犯でも同じだ。
数学者の弟はこういって黒板に方程式を書き、連続殺人事件の犯人の居場所をつきとめた。
それはドラマだからだ!
と、言いたくなるが、実はこれは実際の話を元に作られた話で、使われた数式も同じものだと言う。
実際に数式を使って連続殺人犯をつきとめたのはカナダの警察のキム・ロスモという人物だった。先ほどのスプリンクラーの話はキム・ロスモ氏自身が地理的プロファイリングを説明するときに使う比喩ということだ。
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この方程式は、犯罪は犯罪者の拠点から離れると増えるが、あまり遠くなると減るという現象を元に
方程式は地図に座標をふって、任意の(i,j)に対し
- 犯罪が起きた(x,y)と(i,j)との距離を全て図り、任意の関数をあてる
- バッファー(犯罪が増えて減るまでの幅)から、先ほどの距離を引いて、先ほどと違う関数をあてる
- 任意の重みをつける
- 過度に特徴が出ないように単位をまとめる
(理解できてないので上手く説明できない上にこれであっているか分からない)
というように「それぞれの犯罪の貢献を合計して、(ij)グリッドの確立を求める」方程式をつくり、それを全ての座標で行い、確立が高いエリアに色をつける。そのエリアを中心に捜査を行う。
どの事件も同じ計算でOKというわけではなく、任意の関数や重みなどをそれぞれの事件の特性によって変える必要がある。
実際のキム・ロスモの事件では、特定した住所を調べた結果、犯人はいなかった、、、しかし、タレコミのあった警察関係者を調べたところ、その人物はそのエリアから引っ越していたことが分かり、さらに証拠が出て逮捕された。
「数学で犯罪を解決する」はこのように、ドラマ「NUMB3RS」で数学がどのように使われ、その数学がどういうものなのか、実際にも使われているか、、、を、数学の知識のない人でも分かるように分かりやすく解説している。
統計学(仮)ではないが、RSA,SHA-1,MD5などの仕組みはこれまで読んだ解説のなかで一番分かりやすかったし、指紋神話(同じ指紋は世の中に存在しない)はかなり根拠が危ういなど、、興味深い話も多く、この本は買ってよかった。
おかげで統計学(仮)への愛情が少し増した。
また、和訳された本書には、それぞれのChapterに出てくる数学をより知りたい人向けのための参考本の紹介を訳者がしてくれている。
ちなみに暗号に関する参考文献では結城浩先生の「暗号技術入門 - 秘密の国のアリス」が紹介されてあって個人的に好感が持てた。
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マイブラ本
March 22, 2009 at 01:43 PM | View Comments「my bloody valentine」の本が届きました。
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my bloody valentineは90年代のはじめに活躍していたイギリスのロックバンドで、91年に発表されたアルバム「loveless」は当時流行した「ノイズギター+甘いメロディ」の最高傑作、歴史的名盤とも言われています。
僕にとっては今でも定期的に聴いている唯一のロックアルバムでもあり、とても大好きなアルバムです。
「loveless」発表後に活動停止になり、それから十数年に渡り活動を再開するやら、リマスタアルバムや未発表曲集アルバムが出るとかさまざまな噂が出ては消えていきましたが、2008年、ついに活動を再開しライブ活動などを積極的にこなしています(フジロックにもきました)。
この「マイブラ本」は、再活動前の2005~06年に行われたインタビューが元になっています。
クリエイションを倒産しかけた伝説について
「loveless」には昔からいろいろな伝説があって、中でも
製作に2年以上の歳月と6000万円以上の費用をかけ、所属していたレーベル、クリエイションを倒産させかけた
というのがあるのですが、本を読む限り半分正解で半分間違っているという感じでした。
本では
- クリエイションはラフトレードのディストリビューションを離れたばかりな上に法人化もされてない時期だった。
- ケヴィンが想像するに制作費は6000万円ではなく3840万円くらい。
- クリエイションはアメリカのサイヤーへ所属バンドのライセンス契約を結んでいて1000万円くらいの収入があった。
- 短期間で作成された前アルバムやシングルは数十万枚くらいは売れていたはず。
と、あるのですが、これもケヴィン側だけの意見なので実際のところは良く分からない。
本を読んで感じたのは、クリエイション側からすればレーベルの転機で金が無い次期だったので前作同様に安く作ってキャッシュを得ようと思ったらあてが外れた。なんとか完成したアルバムを売り出すため、先の宣伝文句を使ったというところだろうか?
実際「loveless」が語られるときに「クリエイションを倒産させかけた」という文句は頻繁に聞くのでレーベル側の戦略は正しかったのだと思う。ただし、こう言われるのはケヴィンにとってとてもイライラすることのようです。
それよりも金関係で驚いたのは、「loveless」製作時、ケヴィンとドラマーのコルムがホームレスだったということ。
クリエイションから週17000円を貰っていたけど、それだけじゃ住む場所を確保できずに空き家を不法占拠してたらしい。
空き家から追い出されたコルムは住む場所を確保するために前金として76000円を必要としてたが、クリエイションは「レコーディングが終わったら空き家を探せ」と言っただけだったらしい。
東京ならともかくイギリスで本当に週17000円(月72857円)で生活できないのか?とか
楽器はどうしてたんだ?とか
いろいろ疑問に思うことはあるけど、レーベルも本人たちも金がないという状態だったのは間違いなさそう。
ただ、レーベル側がもっとケヴィンにとって悪人だったら途中で製作費がカットされ完成しなかっただろうし、
ケヴィンにとって良い人だったら、それはそれで、ケヴィンの完璧主義のために完成しなかっただろう、、、
そう思いました。
サウンドについて
我が家には去年からNiro Q:という良いサウンドシステムがあって、それで音を聴くとびっくりするぐらい良い音というか、いままで聴こえなかった音がはっきりと聴こえてくるのですが、「loveless」を聴いたときは
「???あまり変わらない???」
と、不思議に思ったものです。
他の音楽だと、ドラムやベースがくっきりしたり、細かい息遣いや、指づかいが聴こえるのだけど、「loveless」に関しては、相変わらずヴォーカルは何を言っているかはっきりしないし、ドラムもベースもギターの後ろに隠れてしまって、ギターだけがただ厚く全体を覆っている。
この本はそれに対する答えが書いてあった。
パソコンの小さなスピーカーで聴いても、クラブで聴いても、基本的に僕が望むような、ギターがヴォーカルよりもラウドであってほしかった。 僕が録音したものは、ほとんどモノラルだった。ステレオ・セパレーションのかけらもない。(中略)いかにも効果的に聴こえるものというのは、僕の心には響かない。
あの不思議な音はやはり意図的なものらしい。
ギターについての話もあるのだけど、僕はギターについてよく知らないので具体的にイメージできませんでした。ただ、
みんな「何百万ものギターが鳴らされている!」みたいに言っているよね。(中略)実際には多くの人が作るデモ・テープのトラック数より少ないんだ
というのは意外でした。
労力は意外と、はっきりヴォーカルを聴こえなくするための工夫だったり、ホームレス状態から体調を崩してレコーディングの大部分の時間をドラムを叩けなくなったコルムの代わりに、彼のそれまでのプレイをサンプリングして再構築することの方が大きかったのかもしれない。
ちなみに、2曲を除いて、「loveless」の楽器はすべてケヴィンが演奏しているそうです。
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僕にとってmy bloody valentineの「loveless」は特別なアルバムです。
長い間、このアルバムに関しては「音だけ聴いていればいい」という想いがあったので、ネットで調べたりインタビューを読んだりしてなかったのですが(あやしい噂が多すぎて振り回されたくなかった)、この本は素直に買ってよかったと思います。
アマゾンの書影は紫ですが、本当の本はきれいなピンクでなかなか良いです。
へうげもの8巻と今週のモーニング
February 26, 2009 at 11:01 PM | View Comments一昨年、モノ減らしの一環として持っていた漫画本を大量に処分しました。
主に漫画喫茶で読めるようなメジャータイトルを処分し、岡崎京子と松本大洋、昔の少女漫画(漫画喫茶の多くは少女漫画の品揃えが弱いため)は手元に残している。
そんな感じなので現在連載中の漫画は漫画喫茶で読めばいいと思っているのだけど、「へうげもの」と「ヒストリエ」だけは買い揃えている。この2作は完結するまで買い続けるし完結してもずっと保持していたい。
それだけ魅力のある作品です。
そんな2作品の新刊が相次いで発売されました。
まずは「へうげもの」。
戦国時代の茶人であり戦国大名である古田織部を主人公とした物語は8巻においては師匠である千利休自刃、そして織部が自身のアイデンティティ確立という物語の一つの大きなクライマックスへ向けて突き進んでいる。
伊達祭りで身体を張って織部が欲したのは利休のわびではなく「一笑」。
そして、今週のモーニングで利休自刃。
「へうげもの」は通常、モーニングにて一番最後の殿(しんがり)を勤めているのだけど、今週ばかりは巻頭を飾っている。
素晴らしい一話だった。この物語はこの一話のためにあったと言ってもいい。
(作者は韓国取材へ行っていたのでまだまだ続きます)
史実とは異なり介錯役の織部。
同じく史実と異なり3巻において師である信長を自らの手で葬った秀吉。
今週の利休と織部のシーンのために、あの大胆な信長と秀吉のシーンがあったのだ。
死に逝く信長は秀吉に
おまえとは「ダール・イ・レゼベール(ギブ・アンド・テイク)」だった。
俺はあらゆる人間と その関係を築きたかったのだがな、、、、
・・・・・・意味を知っておるか?
「愛」よ
(へうげもの 3巻 哀しみの天主 より)
と告げる。
この言葉は利休から織部への言葉でもあったのだ。
「へうげもの」は師を超える、、、、いや父を超える物語なのだ。
この、小説、演劇、映画、、さまざまな媒体において古典的な題材を、漫画という表現方法において描ききった作者の山田芳裕さんは本当に見事だ。
利休は織部に織部の本質が何であるかを諭す。
どこか赤塚不二男さんの絵を思わせる織部。
利休の死。
見開き2ページ×2=4ページの表現。
とりあえず今週のモーニングは8巻と一緒に黙って買って、
「へいげもの」9巻がでるまで保存しておくべき!
講談社
小説における織部と利休を読むならこちら
カエサルの魔剣を読んだ
January 05, 2009 at 08:19 AM | View Comments「カエサルの魔剣」という本を読みました。
酷いタイトルです。
もともとのタイトルは「The last legion(最後の軍団)」というタイトルで、
最後の西ローマ皇帝ロムルスを守る最後のローマ軍団(と、言っても数人)の活躍を描いた歴史ファンタジー小説。
以下、激しくネタバレ。
皇帝ロムルスは西ローマ帝国を滅ぼしたオドアケルに助命してもらったことくらいしか知られていないのですが、
その少年ロムルスが
- 幽閉先のカプアを脱出
- ライン川沿いを北上
- 海を渡ってブリタニア(イギリス)へ
- そこでアーサー王の父親ウーゼル・ペンドラゴンになる
という歴史ファンタジーで、
- カプア脱出時に持っていたユリウス・カエサルの剣が伝説のエクスカリバーになる
というオチ。
著者のマンフレディ,ヴァレリオさんは古代地誌学者でもありイタリアのボッコーニ大学の教授ということもあってか、ぶっ飛びすぎなストーリーも実に細かく実在のネタや有りそうなネタを織り交ぜてくる。
- ユリアヌス(キリスト教がローマ帝国に深く浸透するのに唯一待ったをかけた皇帝)がコンスタンティヌス帝以前の歴代のローマ皇帝の彫刻や遺品をカプリに集めていてカエサルの名剣もそこに収めていたエピソード
- 主人公と恋仲になる女性の蛮族から逃げてヴェネツィアを作った過去を語ったエピソード
- ある年、突如ライン川が凍結したために蛮族の侵入を許した時を語る老兵のエピソード
- ロムルスの家庭教師のブリタニアのドルイド教の僧侶が西ローマ皇帝ホノリウスへのブリタニア救済の使者となってラヴェンナへ来るが拒絶されてしまったエピソード(彼がロムルスをブリタニアに連れて行きマーリンとなる)
などなど、、、、
そもそもアーサー王の伝説はサクソン人と戦ったブリタニアに残ったローマ系ケルト人がモデルではないかと言われているので
ロムルスはともかく、話として、歴史ファンタジーとしてはそれほど滅茶苦茶ではないのかなと思いました。
歴史の小ネタだけではなく冒険小説としても良い出来で厚めの本でしたが一気に読破してしまったので
「ローマ人の物語」などを読んで古代ローマが好きな人や冒険小説が好きな人にオススメです。
日本では未公開&DVD未発売ですが
映画化もされていて、海外ドラマROMEでヴォレヌス役をやったKevin McKiddが今度は蛮族役で出演しているそうです。
Kevin McKiddに関しては以前も書いたことがありました。
雑誌「BRUTUS」2008/12/15号のYouTube特集がなかなかよかった
December 02, 2008 at 12:11 AM | View Comments雑誌がだんだん売れなくなって休刊が相次ぐ時代になっているそうですが、
僕は雑誌が割と好きです。
情報収集はネットだけで十分という人もいますが、
雑誌には雑誌にしかとれない情報というのも多々あるような気がします。
僕はYouTubeで話題になった映像のことを結構知っていると思っていたのですが、
雑誌「BRUTUS」2008/12/15号のYouTube特集には僕の知らなかった
YouTubeの面白い映像がたくさんあってびっくりしました。
そこで気になったモノを数個ピックアップしてみることにします。
僕のアラブ人たちの印象を180度変えてしまったサンダルスケーティング
何を考えてるのでしょうか?まったく理解できませんが凄いことは凄い!
フィリピン人たちにこれをもって好感をもっていいのか迷ってしまったアルゴリズム体操
そこに至った経緯を是非知りたいものです
インド人たちには一生勝てないと思った映像
インド料理屋に行くとたまに映画やMusic Video がかかっているときがあって「インド人には勝てない」と思っていましたが、これで決定的に!!
やっぱり日本人には凄いと思った映像
別にオープニングの動画を見たのですが、主題歌を覚えていて歌えてしまいました。「きーみーはーなーぜーー」
養老の星 幸ちゃん
このまえ笑っていいともで見たのですが、最高ですね。この人。
レゴでQueenの名曲
素晴らしい出来でした。これは一見の価値ありです。
定番「空耳アワー」
YouTubeが流行りだしたころ、ひたすら見てました。知ってるやつはたまに聞きたくなるし、知らないと知りたくなるし、、、いい時代だ。
IKUZO + 80`s King Crimson
僕は80年代クリムゾンが結構すきなのですが、これにはびっくり。エイドリアン・ブリューの微妙なボーカルは要らないんじゃないかと真剣に思ってしまいました。
YouTubeといえば猫
ある意味 YouTube と言えば猫なのですが、これもかわいい。ダルマさんが転んだをする猫
MUROオススメのEric B. & Rakim - Paid In Full
http://www.youtube.com/watch?v=ZElWBsoyvUo
(embedを望んでいないのでリンクのみ)
これはカッコよかった。
DJ Qbert
これも文句なしにカッコいい。
DJ Qbertは
YouTube - thudrumble's Channel というチャンネルを持っているようです。
というわけで、雑誌「BRUTUS」のYouTube特集は他にもいろいろ紹介してあるので一読の価値ありなんじゃないかと思います。
<追記>
ueBLOG | 僕がBRUTUSのYouTube特集にオススメをあげるなら佐藤雅彦CM集にしたと思う というエントリーも書きました
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