台湾の茶芸館 回留・紫藤廬

September 17, 2010 at 10:28 PM | View Comments

先日、台湾へ家族で旅行に行った。 自分と妻と娘のrukoさんと、自分の父親のヨシオと母の5名。

なぜ台湾なのかというと茶芸館に行ってみたかったからだ。

もともと台湾は凍頂烏龍茶、高山烏龍茶、東方美人茶など茶の産地・ブランドとして有名なのだが、ここ十数年前からは茶芸館と呼ばれる台湾茶を楽しめるカフェの人気も高くなっている。茶芸館でお茶を飲むと台湾のちょっと高級な料理店と同じくらい金がかかるのだが、それでも地元の人々からの人気も高いらしい。

実際に2店の茶芸館へ行ってみたところ、台湾では500mlの爽健美茶のペットボトルが25元(67円)に対し、

  • 2人でお茶を2種類と茶受けで860元(2321円)
  • 4人でお茶1種類と茶受けで1276元(3445円)

もかかった。単純には比較できないが日本だとペットボトル1本150円くらいなので、物価の違いを考慮すると5356円と7950円の価値があるとも言える。

タクシーの初乗りや屋台のチャーハンが70元、美味しい小籠包が170元なことを考えてもやはり高い。ひょっとしたら日本人観光客しかいないのかと思ったのだが、両店とも地元の人の方が多かった。

台湾の人々は茶芸館にそれだけの価値を認めている。言い換えると「欲望」がある。僕が台湾に魅かれた理由はそこにあったのだと思う。

無印良品のボードメンバーなどで有名な原研哉氏の本「デザインのデザイン」の中に「欲望のエデュケーション」という話がある。

ブランドは架空にできあがるのではなく、そのフランチャイズとなる国や文化の水準を反映しているので、その水準(欲望)を高いレベルにすることが大事という話だ。

例え話がわかりやすかったので引用すると

香港で食べる中華料理は美味しいが、東京のそれはさほどほどではない。それがシェフの技量の問題であれば、腕のいいシェフを香港や中国から招けばいいし、事実そういうことも行われているはずである。しかしこのギャップはなかなか埋まらない。なぜなら、問題はシェフではなく顧客だからである。美味しい中華料理にうるさいお客の数を比較すると、香港と東京では勝負にならない。しかし話が「寿司」ならば立場は逆転するだろう。

と、なる。

つまり、台湾の人々は「茶」と「茶芸館」への欲望が、日本人の「茶」「コーヒー」や「カフェ」などよりも高水準な「欲望」があるということだ。どれだけセンスの良い人がいても、その土地の人々がそれを認めなければ成り立たない。「茶」そのものは日本にいても通販などで買うことができる。しかし、実際に茶芸館やそこにあつまる人々は実際に行ってみないとわからない。

今回は有名な「紫藤廬」「回留」に行ったのですが両店ともお茶に対する姿勢、店の内装、店員の質、あらゆる面で良かった。

回留

回留は永康街にある茶芸館で、陶芸家でもあるアメリカ人の主人と奥さんの店。洋風のデザートや自然素材のベジタリアン食事も有名だそうだが、お茶も良かったです。

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以前から台湾茶と日本茶の中間くらいのサイズに小さくした桃山時代の茶器を模した陶器が欲しいと思っていたのですが、回留で売っているご主人が作った陶器はまさにそのようなものでした。

残念ながら写真を撮り忘れましたが、片手に収まるような楽茶碗や上田宗箇の「さても」を模した陶器などもありました。値段も1800元(4865円)と台湾の物価にしては高い値段だったのと、今回の旅行では古い青磁か青磁っぽいものが欲しかったので買わなかったのですが、日本円に換算してよく考えるとそんなに高くないので買っておけばよかった。。。

茶器へのこだわりは店で飲むお茶にも現れていて、お茶のみならず茶器を見ているだけでも楽しめる。

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内装は中国・台湾というより無国籍な感じ。

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お茶自体は、両親も一緒で癖のないものが良いとのことだったので高山烏龍茶を選んだ。

紫藤廬

こちらも有名店。世の中には有名になると駄目になることも多いので、実際に行くとがっかりしてしまうのではないかと思ったのですが全くの杞憂に終わった。この店の趣味の良さは異次元じゃないだろうか、、、。

まず、店においてある花を見て欲しい。

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派手すぎず、寂し過ぎない。こんなもの何事もなかったように普通に置いてある。

日本統治時代の日本建築を改造した店内は落ち着きがある。地元アーティストのギャラリーにもなっているそうだ、

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地元のお客さんが居たため写真は撮れなかったが畳の部屋もある。

茶器も良い。

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お茶は20年ものの凍頂烏龍茶と50年もののプーアール茶。古茶は初めて飲んだが予想より癖がなくおいしかった。発酵のものはお酒もチーズも時間が経てば経つほどおいしくなるというが、日本茶と違い発酵させる台湾茶も同じなようだ。

店員さんのオススメだったのだけど「日本では飲めないちょっと珍しいお茶が飲みたい」という僕らの希望にしっかり応えてくれたと思う。最初の1杯は店員さんが入れ方を教えてくれる。

この店員さんは英語の発音もきれいで知的な人でした(英会話は奥さんが担当)。こういう人が店員をやっているのも凄い。

カウンターには茶器や本などが売っていて一冊手に取ってみると岡倉天心の「茶の本(THE BOOK OF TEA)」の訳本だった。なんて良い趣味なんだろう。

ここで清時代の青磁の茶器を購入した。本当に清時代のものかはわからないが予定通りチープな感触の青磁茶器が手に入れることができた。奥さんは白磁器の茶器を購入した。

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2つで1300元(3157円)して高いものを買った気でいたが、これも良く考えると全然普通の値段だった。もっと買っておけばよかった。

categories: tea, taiwan
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